【日本酒と料理(食事)について】


下記の「日本酒分類表」でご案内させて頂いている様に、日本酒は主に、香りと味で「薫酒(くんしゅ)」「爽酒(そうしゅ)」「熟酒(じゅくしゅ)」「醇酒(じゅんしゅ)」4つのタイプに分類する事が出来るのですが、それぞれのお酒のタイプに合う料理の種類を御紹介させて頂きたいと思います。
ただこれは、あくまでも日本酒の本や日本酒業界の方にお伺いした一般的な組み合わせをご紹介させて頂いているものですので、「こうしなさい」と言う決まりはなく、皆様のお好きな組み合わせ方で日本酒と料理を楽しんで頂ければ幸いと思います。

ちなみに私は、日本酒と料理とを合わせる時は、日本酒を主役とするのか料理を主役とするのかしか考えず、恥ずかしながら下記「日本酒分類表」の様な、きめ細やかな味覚との相性を考えた事はございません。
日本酒の味を楽しみたい(主役)時は、料理は日本酒と喧嘩をしない様なおつまみ程度のあっさりとした料理を好み(時にはあぶった塩イカ程度の時もあります)、料理の味を楽しみたい(主役)時は、日本酒はどちらかと言うと、華やかな(強い)香味をもつお酒はやめ、純米酒の中でも香味の強くないものや、本醸造酒・普通酒の様な香味の強くないお酒を好んで飲んでいます。

そう考えると、「日本酒分類表」の飲み方とは違う飲み方をしているのかもしれませんが、まぁ、そこはそこ。人それぞれだと思って笑って許してやって下さいね。


追記:
おつまみ作りの際にはこちらのあなん谷醤油がお勧めです。わざわざ県外から買いにこられる方もいらっしゃる程の、プロの料理人もその良さを認めたお醤油です。

最後に、日本酒を飲んだ後にはやっぱり喉越しの良いこれでしょって事で、こちらの海津屋氷見うどんをお勧めします。
日本三大うどんの1つに挙げられており、二代目料理の鉄人中村孝明先生が、「料理人歴44年のプライドをかけてお勧め」と大絶賛したうどんです。





日本酒の分類表



香りが高い





薫酒 「香りの高いタイプ」
(吟醸酒・大吟醸酒に多いです)


「華やかな香りと爽やかな味わい」のタイプです。
香りは華やかで果実や花の香りが高く、爽やかさを感じさせる香草や柑橘類の香りも高いです。
味わいは甘さとトロ味は中程度で、爽快な味わいをもたらす酸と調和し、苦味や旨味は少ないという傾向があります。


「料理との相性」
華やかな香りと爽やかな味わいをもつこのタイプのお酒は、風味の強い料理にはあまり向かないと言われています。どちらかと言うと、素材が生かされているあっさりとした料理と相性が良いようです。

「相性の合う和風料理」
すずきの塩焼き、鮎の塩焼き、山菜の天ぷら、平目の昆布締、穴子の塩焼き。

「相性の合う洋風料理」
白身魚のムース、帆立貝のワイン蒸し、魚介類のグラタン、クリームシチュー、アボガドと海老のサラダ。

「相性の合う中華風料理」
棒棒鶏、蟹爪の揚物、八方菜、ホタテ貝とブロッコリーの炒め物。
熟酒 「熟成タイプ」
(何年か寝かせた古酒に多いです)


「練れた香りと豊潤な味わい」のタイプです。
香りについては、干した果物や千草、スパイスや樹木を思わせる香りが非常に豊かで、きのこ類、ナッツの香り、濃厚な熟した旨味を暗示させます。味わいは甘味がとろりとしていて、よく練れた酸味が加わり調和します。強いスパイスや香ばしい味わいに重厚な後味と余韻が残ります。


「料理との相性」
熟酒タイプの日本酒は、複雑で微妙に調和した力強い香りと豊醇な味わいをもつと言われていますので、料理も濃い味付けのものと合います。
尚、相性の悪い組合わせは、生の魚介類で、素材のもつ味わいを消してしまうからなのです。

「相性の合う和風料理」
鰻の蒲焼き、鯉の甘煮、豚の角煮、鯉のあら煮。

「相性の合う洋風料理」
ラムのステーキ、ビーフシチュー、鴨のロースト、フォアグラのソテー、スパゲッティミートソース。

「相性の合う中華風料理」
鯉の蒲焼き、牛のオイスターソース、北京ダック、シューマイ、甘酢餡かけ。



爽酒 「軽快で滑らかなタイプ」
(生酒に多く、本醸造酒や純米酒にもみられます)


「清楚な香りと軽快な味わい」のタイプです。
全体的に控えめな香りで、わずかに果実や新鮮さを感じさせる香りがあります。味わいについては、ほのかな甘味とフレッシュ感のある酸味が特徴で、心地良い苦味が微量にあってお酒の爽やかさを引き立てます。


「料理との相性」
穏やかな香りと軽快な味わいが特徴の爽酒タイプの日本酒は、広範囲にわたって料理の特性を生かす高い相性を示します。
但し、脂っこい料理に対しては反発します。

「相性の合う和風料理」
虹鱒の塩焼き、出汁巻玉子、茶碗蒸し、蛸のから揚げ、生がき、ふろふき大根、湯豆腐。

「相性の合う洋風料理」
シーフードサラダ、ポテトサラダ、ロールキャベツ、野菜のテリーヌ、マカロニグラタン、プレーンオムレツ。

「相性の合う中華風料理」
海老や蟹のシューマイ、春巻きサラダ、烏賊の炒めもの、蟹玉。
醇酒 「コクのあるタイプ」
(純米酒に多いです)


「ふくよかな香りとコクのある味わい」のタイプです。フルーツや花、ハーブを思わせる香りは非常に少なく、樹木や石の香りや、まろやかで複雑な旨味を感じさせる香りが強めです。味わいは甘味、酸味、心地良い苦味とふくらみのある旨味のバランスがよく、ふくよかな味わいです。また、味わいの残存時間も長く力強さを感じさせます。


「料理との相性」
ふくよかで落ち着いた香りと、コクのある味わいをもつこのタイプのお酒には、しっかりとした味付けの料理と相性が良いです。お酒自身に香りと味の幅があるので、料理にも同じ様なバランスが必要です。深い旨味とコクのある料理と調和します。

「相性の合う和風料理」
とんかつ、筑前煮、鯖のみそ煮、すき焼き、焼き鳥(タレ)、カレイのから揚げ。

「相性の合う洋風料理」
鶏のハンバーグ、ビーフステーキ、仔牛のカツレツ、クリームシチュー、フライドチキン。

「相性の合う中華風料理」
八宝菜、焼き餃子、酢豚、麻婆豆腐。
香りが低い


日本酒の飲み方
日本酒のおつまみ
日本酒の保管について
日本酒の賞味期限について
日本酒の種類について
日本酒の甘口・辛口について
日本酒の銘柄紹介
etc
.

※無断転載・引用禁止