【日本酒の種類について.1】日本酒と言いましても、原料や製法によりまして色々な種類に分けられます。大きく分類しますと「普通酒」と「特定名称酒」にわけられ、「特定名称酒」は、精米歩合の違い、醸造アルコールを用いているか、吟醸造りであるかどうかによって、さらに下記図の様に「純米大吟醸酒」・「大吟醸酒」・「純米吟醸酒」・「吟醸酒」・「特別純米酒」・「純米酒」・「特別本醸造酒」・「本醸造酒」の8つに細かく分類されております。 特定名称酒の品質表示
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【吟醸酒について】 酒造りの技術向上、新酒の開発を目的とした、清酒鑑評会用の出品酒として生まれたお酒です。 特徴の一つめは精米歩合が60%以下で義務付けられている事です。二つめの特徴は、仕込み温度を10度以下にしてゆっくりと低温発酵させ、30日以上かけて熟成させる「吟醸造り」と言う手法が用いられている事です。この「吟醸造り」により、吟醸酒特有のフルーティーな香味が造りだされます。 余談ですが、私が日本酒を飲み始めた頃は吟醸酒ばかり飲んでいました。この吟醸酒のもつ花や果物にも似た甘い香味がワインの様に大変素晴らしく、日本酒初心者の私でも、スッスッと口の中に入っていきとても飲みやすく感じたからです。 個人的には、日本酒に興味をもたれたばかりの方なら吟醸系のお酒を冷やして飲む事をお勧めします。ワイングラスに入れて飲むと、甘い香りが更に引き立ちますよ。 【純米酒について】 米・米麹・水だけで造られていて、醸造アルコール等が添加されていない、文字通りお米だけで造られているお酒となります。精米歩合が70%以下に規定されております。 どうでも良いお話なのですが、私は食中酒としてぬる燗でのお酒を好むため、純米酒が特に好きです。コクあり、ふんわりとした柔らかさありと、気持ちをホッとさせてくれるお酒が多い様な気がします。 【本醸造酒について】 精米歩合が純米酒と同じく70%以下に規定されております。純米酒に醸造アルコールを少し加えることによって、純米酒よりもライトな感覚のお酒に仕上げたものです。なお、醸造アルコールの添加量は、使用した白米の10%以下と決められております。 今は地酒にこだわりのある飲食店さんも増えていらっしゃいましたので一概には言えないと思いますが、以前?今でも?飲食店さんの間では、この本醸造酒がよく使われていると伺った事があります。 価格がお手頃、冷良し燗良しの万能型、香味がさほど強くないので料理と喧嘩しにくく食中酒むきと、まさに飲食店さんが望まれる条件が揃っていお酒だからなのかもしれませんね。 【普通酒について】 特定名称酒以外の事を総称して普通酒と区分しています。本醸造酒よりも醸造アルコールが多く加えられているのが特徴で、さらに糖分を加えて造られます。短時間で発酵するため、コスト・技術の両面でのメリットが蔵元さんにはあります。 ちなみに普通酒の起こりは、戦中・戦後の食糧難であった頃、米不足をカバーするために醸造アルコール等を多く加え、酒を増量した事がはじまりの様です。 ■日本酒や地酒に興味のある方は、こちらも是非。 |