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位置

 小矢部市桜町・西中野に所在。市街地北方の子撫川と小矢部川に挟まれた

三角形の低丘陵地帯の小谷の中に立地。

 遺跡全体の総面積は、東西1.2km、南北0.8km(約60ha)あり、うち舟岡地区は、

約3万uの範囲を占めている。

        

  

発掘の経過

 

 桜町遺跡の発掘調査は、国道バイパス建設に伴い1980年から始まったが、

舟岡地区の調査は1988年から始められた。一時中断された後、

1996年に調査が再開され今日に至っている。

これまで、舟岡地区遺跡全体のやく5%にあたる1、600uの発掘調査がなされた。

 

遺跡の特徴

 

 @ 縄文草創期(約13、000年前)から晩期(約2、300年前)に至る

  縄文時代縄文時代全期間におよぶ遺構遺物などが出土している。

 A 縄文中期末(約4、000年前)の遺構面から高度な建築技術を示す

  建築部材など画期的な遺物の数々が発見された。

 B 一つの遺跡にいくつもの時代の層が重なっており(重層遺跡)保存が非常に良い。

          

   第二調査区 (平成11年5月)        同 (同年8月)

      

   同 (同年5月)・・  この下から「日本初縄文時代の高床建物の屋根出土」(8月)

遺構の様子

 

 @ 集落の南を流れる川幅3mの小河川の跡とその川の中や周辺に

  さまざまな木組みの施設や土器、堅果類、その他の遺物が数多く見られる。

 A 遺構、遺物は水害に遭って洪水砂に覆い尽くされているが、

  地下水など自然の好条件により保護されていたことにより

  縄文中期末の状態のままで検出された。

 B 木組みには高床建物などの廃材が数多く転用されており、

  Y字型をした用途不明の加工材などもある。

 C 転用材から当時の建物の復元が可能であり、4、000年前の木工技術を知ることができる。

出土品の数々

 

 @建築部材

   昭和63年度の発掘調査によって発見された柱の完形材は、その形状から小型高床建物の

  柱材とされ、縄文時代にも高床建築が存在したことが実証された。

   平成8年度の洪水砂の除去作業を経て、平成9年度には、様々な木組みの発掘によって

  縄文時代中期末のまま封印された多くの木材が出土した。

   またその木材の多くが、丸太材・板材など、建物の部材が二次転用されたものと考えられ、

  縄文時代中期末の高度な建築技術が実証された。

   ・渡腮仕口 ・桟穴 ・Y字材 ・網代壁 ほぞ仕口 ・貫穴 ・相欠 ・目徒穴 ・樋部倉矧

 A食材

   ・コゴミ  ・トチノミ  ・クルミ  ・クリ

 B土器

   ・串田新式土器  ・前田式土器  ・中津式土器

 C石器

   ・石鏃  ・石槍  ・石斧  ・石匙  ・石皿  ・敲石  ・石鍾

 D装身具など祭祀関係

   ・勾玉  ・耳栓  ・けつ状耳飾り  ・彫刻柱  ・樋状加工木柱  ・石棒 

 ・無頭石棒  ・縄文のビーナス   ・弓

 

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おまけ

 発掘の服装

   発掘にあたっては発掘しやすい服装で安全面を考えた服装を心がける。

   多少動きにくいが、ヘルメット、長袖、長ズボンそして手袋、ゴム長靴の着用は

   怪我から身を守るために最低限必要。

   紫外線による疲れを避けるためにも、首周りはなるべく直射日光の当たらないように配慮する。

 

 発掘の心得

   a 現場の発掘責任者からの注意事項を守ること

   b 遺跡の発掘は一面から言えば遺跡を破壊することになることを銘記すること

   c 遺跡の発掘は体力と我慢。時には土運びで終わる日々が続くこともある。

   d 遺物に関して細心の注意をはらう

 遺跡用語解説

   ・編布(あんぎん)??アカン・カラムシ等植物繊維を編んだ布

 

   ・遺構(いこう)??遺跡の中にある一部の痕跡

 

   ・石囲炉(いしかこいろ)??前期に出現し、中期以降一般的となった炉の形

 

   ・石皿(いしざら)と磨石(すりいし)??大きくて平らな礫の中央がくぼんだ皿状の石器。

   磨石を用いて団栗や山芋を粉砕したり製粉した調理器具。

   土器などを彩色する岩石を砕いて染料を作るために用いられたものもある。

 

   ・遺跡(いせき)??過去の人々の生活の痕跡が土地に残された場所。

 

   ・遺物(いぶつ)??発掘調査で出土したもの。

 

   ・埋甕(うめがめ)??大型の土器を棺としてもちい、幼児のものが住居入り口に

   埋められたが再生を願ったと推定される。

 

   ・貝塚(かいづか)??先史時代の人々が貝や魚、狩猟による動物を捕食した後に

   廃棄したものの堆積。

 

   ・C(カーボン14)

     25000年より新しい年代測定に適している。(放射性炭素法)

    生物の体内には、炭素12と14が一定比率で存在するが、死ぬと一定割合で減少し

    5700年たつと半分の量   になることを利用して年代を測定する。

   ・環状列石(かんじょうれつせき)??ストーンサークル。大きな自然石を環状に配置したもの。 

 

   ・骨角器(こつかっき)??動物(鹿・猪・魚・鳥など9の骨を使った道具。

 

   ・栽培植物(さいばいしょくぶつ)??植物資源確保などの為に野生種に種まきや

   移植で手を加えたもの。

 

   ・使用痕(しようこん)??土器や石器の機能を推定する際に用いられる。

   過去の遺物の使用方法、着柄の有無などを明らかにしようとする方法。

 

   ・縄文海進(じょうもんかいしん)??縄文早期から中期にかけて温暖な気候のため海面が上昇。

 

   ・縄文土器(じょうもんどき)??縄文時代の人々が作り使用した土器。深鉢形、

   浅鉢形などその用途に応じていろいろ見うけられる。

 

   ・石器(せっき)??石で作った道具。打製のもある。

 

   ・高床式建物(たかゆかしきたてもの)??柱を立て、地表面より高い位置に床を設けた建物。

 

   ・敲き石(たたきいし)??凹石とも言う。クルミなどを割るときに用いられる。

 

   ・竪穴式住居(たてあなしきじゅうきょ)??地面を掘り、凹めて地下に床を作り、

   柱を立てや根を架した半地下式の住居。床の平面形は、円形、方形などで住居内部に 

   炉が設けてある。

 

   ・着装??矢柄へ石鏃を着装する為に、天然アスファルトや松や桜などの樹脂を

   利用したものが用いられている。

 

   ・土偶(どぐう)??土で作られた人形のこと。女性像が多いのは生産や誕生などの

   宗教的意味が大きい。

 

   ・抜歯(ばっし)??縄文中期・後期・晩期にかけて成人式における儀礼として

   抜歯の風習が発達する。

 

   ・水さらし場??木の実に巣くう虫を殺したり、灰汁を抜く工程で水を使うときの作業場である。

    

 

 

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