030「学問は全てつながっている」
学業において学問とは科目として分類されている。しかし、これらは家族的類似性の観点では重なりあっており、社会人になってからは、これらの別々に学んだ多識を、色々と組み合わせる技術が必要になる。
教養とは一分野の学問を重点的に学び、それだけを応用することではなく、あらゆる分野から学んだ知識より、それらを組み合わせたものをいう。
一冊の本より10を知り、別の一冊よりまた10を知ることはできるかもしれない。しかしただそれだけでは、せいぜい20の知識でしかない。学問が繋がっていることを意識し、応用できる知恵を養うことで、加算効果(知識)ではなく乗算効果(教養)を発揮し、100の教養にすることができる。
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私は「乗算効果」という言葉を使ったが、社長はこのことを「シナジー効果(相乗効果)」と呼んでいる。
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私は中国の古典について、国語では名言と漢文を学んだが、その歴史や背景は社会で学んだ。だがその古典そのものは儒学または軍学なのである。しかし、一つの学問で全てを学ぶことは出来なかった。
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戦国時代の武田信玄と上杉謙信の歴史を勉強したとき、国語で学んだ名言「敵に塩をおくる」のルーツを知り、彼らの戦法は【孫子の兵法】という軍学に倣っていることを知った。またこの書が経営学にも応用されていることも分かった。
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「家族的類似性」とは、ウィトゲンシュタインの【哲学探求】の中で説明しているもので、簡単に説明すると、トランプにはポーカーやブラックジャックなどがあり、ボードゲームにはチェスやオセロなどがあり、スポーツには野球やサッカー、テニスなどがあるが、全て関連性がないようにみえて、「ゲーム」という概念では全て共通している。学問もこれと同じである。