016「危険なのは初級者ではなく、初級者から中級者になる人である」
自動車の運転やスポーツ、そして仕事にしても、危険なのは初級者ではない。彼らはまだ本人自身が緊張しているため、無理な行動はまずとらない。
問題は、初級から中級に進級しようとする人達である。彼らはちょっと上達して、基本をやっと理解したばかりなのに、無理な行動をとり始める。スリルを味わいたいという、その気持ちは分かるが、己の技術を過信するあまり、彼らは周囲に迷惑を掛けていることに気がつかない。中でも基本を疎かにした人たちは、自分自身さえも危険にさらしてしまう。
だから何よりも初級を卒業するというのは、簡単なことではないことを理解しておく必要があるだろう。
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【マーフィーの法則】に、「ドライバーの80%以上は、自分の運転は中より上、と自負している」とある。また、【特命リサーチ200X!】という番組では、「Report015 スノーボードは危険なのか?」というリポートの中で、興味深い統計を紹介している。それによると、スノーボードでケガをした80%が、経験回数1〜10回の初心者・初級者であるにもかかわらず、自らの技術レベルを、中級と答える人が51%もいたというのである。
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ある先輩はこう語る。「自分だけが痛い目に会うのならまだしも、他人にまで迷惑をかけてしまうので、やっかいである。例えば、公道をサーキット或いは、ビデオゲーム機とカン違いしている一部の走り屋や、スキー場で見るからに危なっかしく飛ばしているスキーヤー達は、周囲が自分を避けてくれていることに、なかなか気づかない」
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どんなに上達していても、「初心忘るべからず」という言葉は大切である。