016「危険なのは初級者ではなく、初級者から中級者になる人である」


 自動車の運転やスポーツ、そして仕事にしても、危険なのは初級者ではない。彼らはまだ本人自身が緊張しているため、無理な行動はまずとらない。

 問題は、初級から中級に進級しようとする人達である。彼らはちょっと上達して、基本をやっと理解したばかりなのに、無理な行動をとり始める。スリルを味わいたいという、その気持ちは分かるが、己の技術を過信するあまり、彼らは周囲に迷惑を掛けていることに気がつかない。中でも基本を疎かにした人たちは、自分自身さえも危険にさらしてしまう。

 だから何よりも初級を卒業するというのは、簡単なことではないことを理解しておく必要があるだろう。