015「例外を余儀なくされる場合の注意事項」
例外とは、ある定められた基準を特別な事情により破ることを意味するが、仕事をしていく中で、やはり例外処置をとらなくてはいけないことがある。ただここで注意したいことが2点ある。
まず一つは、たった一度でも例外が発生すると、今まで断固として守られてきたものも、その強制力を失ってしまう為、二度目が起こり得るという危険性が生まれること。
そしてもう一つは、例外処置をどこまで適用するかによって、例外が例外でなくなったり、例外の適用範囲が広がって収拾のつなかい事態にも及ぶということ。
例外を余儀なくされる場合は、これらの問題をおさえた上で、対処しなくてはならない。例外を例外とも思わなくなってからではもう遅いのだ。
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特にコンピュータシステムにおいて、例外処理を認めるか否かについての問題を、「システムエンジニアリング論」として著述したいと思うので、そちらも参考にしてほしい。
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【人を動かす名言名句大事典】(塩田丸男・鈴木健二:監、世界文化社)には、西洋のことわざに、「例外の無い規則は無い」という言葉がある。「世の中には常に一定の規則というものがあるが、文化や時代の経過とともに、規則に従っていては成り立たないこともある。これは、ビジネスの世界についてもいえることで、その場合は臨機応変に対応をしなくてはならない」と説明されている。
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【マーフィーの法則】に、「例外はかならず規則を数で上回る」とある。規則とは多くの選択肢の中から選んだ1つの方向性でしかない。
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同じく【マーフィーの法則】に、「既定の例外に対する例外は、常に存在する」とあるが、事前に起こりえると推測した例外を上回る例外が発生することを表している。また、「例外を完全にマスターすると、どの規則に対する例外であったかを人は思い出せない」とあるが、例外を例外と思わなくなる危険性を表している。特に最初に例外処置を施した者はともかく、次にそれを引き継いだ者は、それを例外としてではなく、一つの規則として受け継がれてしまう。このことについて、ある先輩は次のアドバイスをしている。「大切なのは、例外処置をその場しのぎで終わらせるのではなく、この処置は例外に対するものであるということと、その処置を決めるに至った経緯や背景を明確にして、残しておくことである。そうしないと、やはり引き継ぎというものが不可能になってしまう」
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私が思うに、橋本政権における佐藤氏の入閣は、最初から認めるべきではなかった。あの例外処置を認めることで、今後、過ちを犯した者の入閣を認めさせるきっかけになるからだ。