001「大晦日までに目標を立てよう」
大晦日までに、来年の目標を立てよう。しかし、元旦になるまで、その目標を決して実行に移さないこと。どんな誘惑に駆られても絶対に我慢すること。そうすれば、それまでの我慢が、元旦のときに爆発することだろう。しかし、それまでにやる気をなくしたのなら、所詮、その程度のものだったと諦めよう。
また、「来年は、○○するつもりだ!」と、皆に触れ回るのもいい。嘘から出た真とは、こんなことから始まる。プライドの高い人は、皆に目標を宣言した以上、その目標を続けなくてはいけないと思い込む。そういった環境を作るのも、目標を実行するまでの必要な過程だ。
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私は、高校3年になるときから、日記を書き始めたかったが、敢えて1年間我慢して、入社する年から書き始めることにした。それまでの1年間は書きたくてうずうずしていたが、今となってはそれが長続きの一因になっているのかもしれない。
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毎年何回かは朝礼で、日記を書いていることを皆に知ってもらっている。こうすることで、止めるに止められない状態にしているのである。このように、自分のプライドを利用して、物事に取り組ませるやり方も一つの方法であり、このことについては、グーズベリー随想録の第2集にて改めて説明するが、第1集においても、bO07や018で少し触れているので、そちらも参考にしてほしい。
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しかし、【板坂元の「知的生活」事典】(板坂元:著、PHP研究所)では、次に述べるように、逆に今日から始めることを勧めている。「何か勉強を始めようとか、新しい試みをしてみようというときに、切りがいいから月曜日の朝からにしようという人がいる。だが、そういっていたのでは、実践に結びついていかない。やりたいと思ったら、思ったそのときから始める。これが肝心だ」
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板坂元氏のほかにも、同様の名言を残している人達がいる。まず、歌舞伎俳優の市川左團次(さだんじ)は、「今できないことは、十年たってもできない。思いついたことはすぐにやろう」と述べているし、【クリスマスキャロル】で有名な英国の小説家、チャールズ・ディケンズは、「今日できることを明日にしてはいけない。遅延は時の盗人だから」という言葉を残している。
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どちらにしても、目標を立てることが何よりも大切である。河盛好蔵氏は、【青春と人生】の中で、こんな言葉を残している。「ともかく人生の目標を立てることが何よりも必要であり、また大切なことであります」(以上は、【人生をたのしむ才能】(河盛好蔵:著、海竜社)より引用)