《1999年11月14日 〜 1999年11月20日》


【「美味しんぼ72巻」読了】

 美味しんぼの72巻を、読み終えました。このマンガを読んで、いつも感じることは、ただ、料理に関する知識を深めようということだけではなく、料理を通して、様々な教養を高めてくれる点にあります。例えば、この72巻より、いくつかを挙げてみますと、まず、「人間て、ドジをするもんなのよ。それも何度もするもんなのね。だとしたら、1度や2度のドジで落ち込むなんて、人間として弱すぎるわ」という、名言があります。これは、ある女の子が、カルタ大会の団体戦で、見事、優勝を飾り、優勝杯を授与されたときのことです。ところが、その優勝杯を、皆に見せようと振りかざしたときに、手を滑らせ、割ってしまいます。幸い、その優勝杯の製造元に持っていったところ、痕がほとんど残らないくらいに、復元することが出来ました。しかし、その女の子は、自尊心が強い為に、自分のドジを自分で許すことが出来ません。その彼女を励まそうと、東西新聞社の小泉局長をはじめ、山岡夫妻らが食事に誘ったときのこと、小泉局長は、乾杯のときに、ワイングラスを割ってしまったり、パルメザンチーズの上に、ワインをこぼしたり、分離したドレッシングを混ぜようと振ったところ、ふたを押さえなかったばかりに、中身を吹き飛ばしたり、彼女の前で失態を繰り返してしまいます。励ますつもりの局長は、逆に、再起不能に陥ってしまうのです。そのときに、彼女は自ら、先の名言を吐き、局長を通して、自分の失敗を克服するのです。

 もう一つは、美味しんぼのヒロイン役、ゆう子のお腹の子供を、あるお医者さんに診てもらったときのことです。そのお医者さんは、機械を使って診療することを嫌い、データ等に頼らず、あくまで自分の手、自分の目で確認することを、心がけてきました。従って、赤ちゃんの心臓の音を確認するときも、超音波診断機を使わず、聴診器だけで判断するのです。そのことを、ゆう子は、義父の海原雄山に近況報告したところ、一喝されます。「機械に頼りすぎるのはよくないが、上手に使えばよいだけの話だろう」と。いくら順調に見えても、何か問題が起こるかもしれません。それを未然に防ぐために、あらゆる手段・処置を講じるのが、医者の責任であり、その昔に、超音波診断機があれば、防げた不幸がどれだけあったかを、雄山は、ゆう子に諭すのです。

 その後、山岡夫妻は、そのお医者さんに超音波診断機を導入してもらう為に、説得の方法として、イカのコロッケ、マヨネーズを一緒に作ることになります。イカをペースト状にするにあたっては、フードプロセッサーが欠かせません。また、マヨネーズにしても、ハンドミキサーを使って、素早く仕上げてしまいます。しかし、お医者さんは、案の定、その様子をみて、「こういう器械で作るというのは、何だか嫌だわ 自然じゃないわ」と不安を漏らします。そこで、山岡は、「それはおかしいですね。フード・プロセッサーもハンドミキサーもただの道具ですよ。この料理を作ったのは人間であって、これらは人間の手伝いをしただけだ」と、説明を始めます。もし、イカをすりつぶすのに、すり鉢を使っていたら、手間もかかり、なめらかには仕上がりません。マヨネーズにいたっては、油を卵に少しずつ慎重に泡立て器でかき混ぜなければ、途中で卵と油が分離して、失敗することも少なくありません。その点、器械は、材料を全部、入れてしまって、あとはスイッチを入れるだけで、短時間で効率良く仕上げることが出来ます。山岡は、こうもいいます。「でも簡単にできたからって、質が低いわけじゃない。早く能率的に、その上、高品質にできあがる。この器械は、人間の手の代わりに働いて、手より素晴らしい結果を生む道具なんです」と。コンピュータにだって、同じことがいえます。ただ、コンピュータを使うのではなく、コンピュータに使われるようなことになってはいけないのです。大変、為になりました。

【プレイステーションの様々な噂と真相】

 ファミ通11月26日号は、プレイステーション2(以後、PS2)に関する様々な噂に対して、その真相を究明しています。まず、PS2では、現行機であるプレイステーション(以後、PS)のゲームソフトウェアを動かすことができます。その為に、「プレイステーションプラス」というチップが搭載されています。そこで、「名前にプラスという言葉がついているということは、もしかしてPSを早く動かせるの?」と思うのも当然ですが、どうやら、それはただの名前だけであって、スピードは変わらないそうです。PS2では、24倍速を誇るCD−ROMの読み込みスピードも、PSのソフトウェアを利用するときは、2倍速のままのようです。

 PSのメモリーカードのセーブは、ブロック単位で行われていましたが、PS2のメモリーカードは、PSのメモリーカードの容量の64倍(8Mb)となり、ブロック単位ではなく、バイト単位での管理となる為、メモリーカードを効率よく、無駄なく使用できるようです。普段、コンピュータに携わっている人には、それ程、抵抗はないでしょうが、そうでない人には、最初はなかなかとっつきにくいかもしれません。

 デュアルショック2というコントローラーでは、△○×□等の各ボタンについても、アナログ入力することが可能になっています。アナログ入力というのは、通常、ボタンを押した/押していないの2種類だけを判別するデジタル入力とは異なり、ボタンの押し加減によって、256段階もの判別をおこなうものです。強く押す、ちょっと強めに押すといった、ファジーな入力に反応してくれるのです。ボタンを最後まで押しきるまでの間に、256段階もの識別がなされるのは、本当に驚きです。

【中古ソフトウェア問題の行く末は?】

 ゲーム業界において、話題騒然となっている「中古ソフトウェア裁判」。ファミ通11月26日号では、裁判の仕組みといった基本的なことから順に説明されていて、大変、読みやすい企画でした。そもそも、「中古ソフトウェア裁判」とは、中古ソフトウェアの販売停止を求めるエニックスに対し、販売店の「上昇」が、中古ソフトウェア販売の正当性を、東京地方裁判所に訴えたことに始まります。

 ただ、問題なのは、著作権(小説や音楽、映画などの著作物を複製、その他の方法で世間一般に公開するとき、その著作者が持っている財産的な権利のこと)には、コンピュータゲームに関する条文が無い為に、様々な争い、判決が下されてしまいます。焦点となるのは、コンピュータゲームは、映画の著作物にあたるかどうか、ということです。これがYesであれば、コンピュータゲームは、映画の著作権と同様な扱いということになり、利用する為には、著作権を保有しているところから、使用の許諾を受けなければなりません(これを怠ると、著作権の侵害となり、使用の差し止めや損害賠償の請求を、著作権者から求められます)。Noであれば、映画の著作物とは別物ということになります。

 東京地方裁判所の場合、インタラクティブ性(利用者とコンピュータとの対話で処理を進める方式のこと)を持ったテレビゲームは、映画の著作物にはあたらないと判断され、メーカー側には、中古ソフトウェアの流通をコントロールする権利はないということになり、販売店側の勝利となりました。しかし、その後、今度は、メーカー6社がアクト、わんぱくこぞう茨城店対し、中古ソフトウェアの販売差し止めを大阪地方裁判所に求めました。その結果、大阪地方裁判所は、映画との視覚的類似性を指摘し、ゲームは映画の著作物であると、東京地裁とはまったく逆の判決を言い渡しました。

 ただ、裁判には三審制といって、地方裁判所(第一審)の判決に不服であれば、さらに上級の裁判所に控訴することが出来ます。その場合、高等裁判所で第二審が行われ、それでも判決を不服とすれば、最高裁判所で最終的な判決を求めることが出来ます。恐らく、東京地裁も大阪地裁の裁判も、最高裁まで発展することと思われますので、最終判決には、少なくとも2年は掛かるとされています。個人的には、中古ソフトウェア販売の存在があるからこそ、なんとかゲームを購入してプレイ出来る人もいるだけに(私のことですが…)、エニックスを始め、メーカー6社には申し訳ありませんが、是非とも、販売店に勝利をもたらして欲しいと願うばかりです。

【「死者の呼ぶ館」】

 パンドラボックスより、2000年1月20日発売予定の「死者の呼ぶ館」は、「パンドラマックスシリーズ」の第2弾として発売されます。パンドラマックスシリーズですから、1980円という低価格。…にも関わらず、本格的なホラーアドベンチャーを楽しめるようなので、個人的に期待を寄せています。ストーリーは、不動産業者の新人である主人公は、別荘を売り出すために企画された「別荘見学ツアー」を任されます。ところが、ツアー客は、一癖も二癖もありそうな人物たちばかり。主人公は、ツアー客を引率し、人里離れた別荘へと向かいますが、森の道程で迷ってしまいます。彼らは途中で謎の館を発見し、そこへ宿泊することになります。しかし、その奇妙な館では、不可解な出来事や、奇怪な事件が待ち受けていたのです。ちょっと「弟切草」的な雰囲気を醸し出したアドベンチャーゲームです。

【飛騨高山を散策】

 久し振りに、飛騨高山を散策してきました。国道41号線を南下し、約2時間。駐車場を探すのに苦労しましたが、古い街並みから少し離れたところにあった、市営駐車場を利用しました(30分で150円)。まずは、中橋より宮川の流れを眺めました。たまたま、中橋はペンキの塗りたての真っ最中だったので、縁まで寄り付けなかったのは残念でした。次に、古い町並みを通りました。この日は、晴天に恵まれていたこともあり、真っ直ぐには歩けないほどの人でごった返していました。その中で、「薫香」という、線香などを売っているお店に入り、様々な香りを楽しみました。そして、高山といえば、何と言っても「みたらし団子」と「御幣(ごへい)餅」です。特に、三川屋本店の御幣餅はお気に入りで、いつも、ここの団子と餅しか食べません。数年振りに味わった御幣餅は、格別でした。最後に桜山八幡宮を訪れ、約2時間の散策を終えると、国道158号線を北上して帰路につきました。高山から高岡市へは約2時間掛かりました。途中、白樺の森や、小川、紅葉の山々を眺めながらのドライブは、退屈させませんでした(後半はトンネルだらけで、そうも言っていられませんでしたが…)。ただ、それらの優雅な自然を、デジタルカメラに収めなかったことを、後悔しています。

【「萬里」にて夕食】

 高岡市蓮華寺にある中華料理店、「萬里」にて夕食にしました。ここの目玉は、ネギと卵だけで作ったシンプルなチャーハン。しかし、これこそがチャーハンなのです。「美味しんぼ」によれば、チャーハンの美味しさは、米の飯の味にあるといいます。従って、米の飯のうまさを味わうのが、チャーハンなのです。あれこれと贅沢に盛り付けたり、味付けしてしまっては、米の飯の味ではなく、その飾り付けた材料を味わうことになってしまいます。この他にもカニ肉をのせた「カニチャーハン」もあります。…といいながら、私が注文したのは、鳥唐揚セット(¥1150)と餃子(1人前6個で¥350)。餃子は、最近、良く耳にする無臭ニンニクを使ったものです。「萬里」は、定休毎週火曜日、営業時間は11時〜20時50分(ラストオーダー)、席は58人。駐車場は13台分となっています。近くには井口本江プラザもありますので、そちらの駐車場を利用するのもいいでしょう。そこから歩いても1分です。